ONが躍進する理由を考えてみる
- 山﨑貴史
- 2023年3月4日
- 読了時間: 2分
Onの勢いがすごい。
これもイノベーター理論、機能性とおしゃれの話になるが、2010年創業はじめは徹底的にプロ競技志向のアスリートに支持され、機能性を追求していた。
プロトライアスリートが自分が求めるシューズの理想の機能性を求め、デザインも斬新な部分を付加したことで、アスリートであるイノベーターが支持。そこから徐々にラインナップを増やしてシューズの機能性の細分化を行い、アーリーアダプターに認知されていく。
さらにカラーバリエーションを増やしつつ、商品の開発サイクルを高速化し、走る目的だけでなく街歩きやアーバンなおしゃれシューズとしての価値を訴求していったことで、アーリーマジョリティーにまで人気が高まって上場を果たした。
自分は2014年から履き始め、もう10足以上を使ってきたコア顧客になってしまったのだが、最近さらに一つ上のステージに移行しようとしていると、商品を見て感じている。
それは、Cloudrunnerが出たあたりからで、既存ラインのシューズ価格がどんどん高まるなかで、走る初心者層に向けてのラインナップを出してきたこと。
機能性追求の方向性が、シリアス競技者に受けるものではなくて、より一般競技者にもわかりやすく、使いやすいように改善してきていると感じる。
いよいよレイトマジョリティー獲得に向けての戦略にアクセルを踏み込んだということだろうか。
そうすると次のステージは、初期の顧客離れという懸念が出てくるが、ここで表題のサブスクリプション戦略である。
環境に訴求してイノベーター心をくすぐりつつ、コア顧客はシリアスランで履きつぶすのが速いことをわかっていてのサブスク囲い込み、自然な合理性を付加することに成功しているのがすごい。
自分には創業からここまでの流れはビジネス戦略のお手本のように見えた。次のさらに次の戦略まで繰り出して飽きさせないこのブランドを、おそらく自分は支持し続けるはずだ。
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